あの「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」が、ついに映画になるということです!
「まさかの映画化」って自虐的なコピーがついてますけど、映画化されて当然ですよ。
あれ、本当にめちゃめちゃ素晴らしいシリーズですからね!
「え? どこがいいの?」て思ってる人もありますかね。
「知らん」とか「聞いたこともない」ていう人も多いのでしょうか。
パッと見で2つくらい、すごいところがあります。
縛りを受ける楽しみ
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」シリーズ、2007年に始まって、現在まで22作を重ねてます。
BSでよく再放送されていますが、もともとはテレビ東京の番組です。
太川陽介と蛭子さんのオッさんコンビ(レギュラー)に、女性タレント(ゲスト)が加わる3人組で旅します。
毎回決められた地点をスタートして、決められたゴールを目指すんですが、ルールがあるんですね:
・制限時間は3泊4日
・利用できる乗り物は路線バスだけ
・ルートは自由に決められるが、インターネット検索は禁止
このルールはすごいです。
絶妙です。
そりゃ22回も重ねるし、映画にもなります。
旅行の楽しみは企画にあると私は思ってます。
企画っていうのは、「縛り」とほとんど同じ意味です。
「どういう旅にするか?」というのを考えるのが企画。
「どういうふうでもいい」という縛りのないのは、企画性もない。
つまり、企画の面白さとは、どんな面白い縛りをつけるかだったりします。
「路線バスしかあかん」って。
横は電車が走ってるんです。乗ろうと思えばいつでも乗れる。
でも「乗ってはいけない」のです。
「ネットは使えない」ていうのもね。
現場にスマホは何台もあるでしょう。調べたければすぐ調べられる。
でもそれは「できないこと」なんです。
そういう縛り、そういうルールなんですね。
どこかに出かけるときは、自分の身動きをわざと自分で取りにくくする、何らかの「縛り」をつけてみると面白いです。
うまい縛りを考え出せたら、毎日の通勤ルートでさえ新鮮な旅として楽しめるでしょう。
パッと思いつくだけでも:
・いつもと同じ路線は使わない
・いつもとは反対方向の電車から始める
・○○な人を見かけたら、次の駅で降りてみる
などなど、なんでもいいと思うんです。
シンプルなルールでも、あるのとないのとでは全然ちがいます。
縛りが面白いほど、遊びも高度になっていきます。
あの番組のもう一つ面白い縛りは、実は「蛭子さん」やったりするのかもしれません。
これは私たちにはそう簡単に導入できない装置ですが、次回はそのへんのお話を。