【第22回】何もしていないときは、何をしているか

最近はもう使われる機会がない言葉かもしれませんが、
昔は「沈没」という旅行用語がありました。

街から街へと移動を続ける長期旅行の途中で、
つい足を取られて動けなくなってしまうことがあります。
一つの街の一つの宿に、何泊も、
ときには何十泊もし続けてしまう。
そういう状態を表す言葉です。

その街が気に入ったり、宿が気に入ったり、
あるいは疲れたり、イヤになったり、
理由はいろいろ、悲喜交々ありますが、
まあそういうときが旅行者にはある。

私にも2、3度ありました。
中でも一番長かったのが、インドのバラナシに沈んだ計42泊。

42泊43日の間、
用事も仕事も義務もないわけで、
ただ宿で何もせず過ごしているのですが、
それでも、今思い返せば、
本当にただ何もせずにいたわけでもなかったようです。

まあ外側から見たら
何もせずぼーっとしている人間にしか見えなかったでしょうが。


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podcast きりん屋/国本豊泰

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