"セレンディピティ"

「セレンディピティ」という妙な言葉があります。

「偶然によって価値あるものを手にすること」くらいの意味です。

これは完全な「偶然」であることがポイントです。
意図的に取りに行ったり、狙ったものを手に入れたりというでは、セレンディピティにならない。

エッセンスが偶然なだけに、なんだか全体的にぼやっとした、あやふやな感じの概念です。
でも、これってすごく貴重なチャンスやなあと思うんです。

どれだけ頭が柔らかい、アイデアが豊富な人でも、うまい方法の思いつかない時がある。
また、仮にどれだけ貪欲な人でも、願い切れない幸せというのがあったりする。

多かれ少なかれ、個人の発想には限界があるということです。

そして偶然というのは、突然にニュッと、私たちが発想できる限界の大きく上を行くものを、授けてくれる。
だから貴重やなあと思うのです。

見知らぬ土地へ出かけていく旅行というのは、そもそもセレンディピティに身をさらす絶好の機会です。
でも、それに加えて、幸運な偶然に出会う確率をさらに高める工夫というのは、あり得る気がします。

そしてその工夫というのは、変化に乏しいルーティーンに納まってしまいがちな日常生活の中では、さらに大切なものになります。