世の中にはたくさんのルールがありますが、
その「守り方」には様々なスタイルがあります。
真っ正面から遵守していく関わり方もありますが、
ルールの網の目をすり抜けていくようなやり方もあります。
網目をすり抜けはしても、破りさえしなければ、
それは一つの「守り方」
〝裏技〟というのがありますが、
あれなんかも独特の「守り方」の一つでしょう。
今日はJRの運賃を安くする〝裏技〟についてお話しします。
これはけっこう有名な手法なので
ご存知の方も多いでしょう。
が、この技の本当の価値というのは
運賃が安くなる以外のところにある!
ーーとまあ、そういうお話です。
JRの運賃は分割すると安くなる
大阪から明石まで、
JRで行くとしましょう。
大阪駅で明石までの切符を普通に買うと、
運賃は920円です。
ところがこの切符を、目的地の明石まででなく、
途中の神戸まで買う。
そして神戸で、改めて明石までの切符を買い直す。
すると、この2区間を合算した運賃は、
710円になるのです。
一気に買うより、神戸で一旦分割した方が、
210円 安くなるというわけです。
切符を途中で買い直すと、
普通は値段が高くなります。
でも、区間によってはこういう逆転が起こる。
JRの運賃計算ルールに生まれた「穴」を
逆手に取った技です。
どれだけ割安になるのか/ならないのか、
このサイトで発着駅を入力すると
すぐに出てきます:
■ 乗車券分割プログラム (外部サイトリンク)
これはすごいプログラムです!
駅の入力方法にややクセがありますが、
慣れたらどってことない。
どうしてこんな逆転が起こるのか、
詳しい解説も掲載されてます。
運賃を分割する真のメリットは何か?
大阪ー明石間なら、
分割で210円も安くなる。
ただし、一度神戸で降りて、
切符を買い直す必要が出てきます。
イコカやスイカでも、
一度改札を出て、入り直す必要がある💦
分割して安くなる金額が、この労力に見合うのか?
分割のメリットを専ら「安くなること」とする限りは、
そういう話になるでしょうね。
210円も安くなるならやってもいいけど、
10円くらいならバカらしい、とか。
そこは個々人のコスト/パフォーマンス観に基づく判断です。
でも私、最大のポイントは値段じゃないと思うんです。
安くなるったって、
多かれ少なかれ、所詮は知れた額。
もっと大事なのは、
「与えられるチャンス」です。
どんなチャンスかというと、
「途中の駅で降りるチャンス」
「用事もない、名前も知らない駅で降りるチャンス」
「こんなきっかけでもなかったら一生降りることなかったかも知れない駅で降りるチャンス」
です。
上記の例は途中で降りるのが「神戸」というメジャーどころなので
いまいちピンと来ないかも知れない。
たとえば、東京駅から千葉駅まで行くケースだと、
途中の東船橋で分割すれば、−30円です。
東船橋?
知らんなあ。
西船橋なら降りたことあるけど…
ていう駅です。
でも、そこで降りることを「指定」される。
そうして東船橋という街と知り合うチャンスが生まれる。
それこそが、30円には代え難い
プライスレスな価値✨✨✨だと思うのです。
同じく東京駅から、今度は埼玉の大宮まで行ってみましょう。
分割ポイントは東十条になります。
十条っていうだけでも十分シブそうやのに、
さらに東十条ってーー
どんなとこやろ??
と好奇心をかき立てられます。
分割地点は1カ所とは限りません。
たとえば大阪から名古屋までなら、途中、
京都、南草津、近江八幡、南彦根、岐阜
の6分割で−390円。
かなり滋賀テイストが濃厚ですが、
いい途中下車ができそうです。
岐阜あたりも、名前は知られてますが、
意外と降りるチャンスがない。
それでもまあ、
いざ降りてみて、
特におもしろいこともないかも知れません。
しかしそこは気にしない気にしない。
さっさと次の電車に乗っていけばいい。
(あまり本数の少ない線では危険ですが)
時間の他に失うものもないでしょう。
私の場合は、仕事とかで他の地域へ行った時なんかに
よくこの分割ツールを使います。
「◯時に◯◯へ行くんだけど、中途半端に時間があるなあ💧」
という時など、降りる駅を指定してもらって、
数十分〜数時間の途中下車を楽しみます。
慣れてくると、どこで降りても、
それなりに楽しめるようになってきます。
こういうのも、〝まち歩き力〟が上がるというか、
自分自身の成長を感じられて
うれしいものです🙂