■〝効用〟のある旅行について
楽しいだけの旅行がダメなことはありません。色々な旅行があっていい。
私がお話ししているのは、「旅行を通じて学びや成長を得たいのなら、〝効用〟のある旅行をつくっていく必要がありますよ」というだけのことです。
これはあくまで、「旅行に何を求めるか」という目的の問題です。
純粋に楽しみやリラックスを求める旅行があっていいし、その場合は、成長だの効用だのに気を取られてしまっては、テンションが下がりますね。
たとえば、一日3回、同じようにとっている食事でも、いくつかの目的があります。
明日へのエネルギーを補給するための食事もあるし、舌を楽しませるために食べることもある。
どちらかが正解で、そうでなくてはダメというものではありません。
ただ、どちらがいいと聞かれたら、私としては国内よりも海外を大いに勧めます。
それはなぜかというと、海外では「無理なく、自然に困ることができるから」です。
人の成長を促すのは、一言でいうと、苦労の体験だと私は考えています。
海外では、言葉や文化の違いなどから、現地の人や食べ物や習慣に動揺させられたり、ストレスを感じさせられたり、自然にさせられてしまいます。
そこが大切だと思うわけです。
国内となると、言葉は通じてしまうし(全国の隅々まででというわけではないですが)、普段の自分の常識が通用してしまうことも多いので、あまり「困る」体験をもちにくい。
その意味で、「国内よりは海外」なのです。
もちろん、国内旅行に成長のタネがまるでないわけではありません。
ただ、どうやって「困らせられる」環境に自分の身を投じるか、旅の作り方に工夫は必要になるでしょう。
この意味で、国内旅行は上級者向けです。
ですから、「証拠もないのに信用できない」と受け止められたとしても、これはまったく仕方のないことだと思います。
今の私は証明できません。
ただ、「旅行って、人を成長させる要素を含んでいるとは思いませんか?」という問いを投げかけることしかできません。
あやふやな話です。
あやふやではありますが、でも、もしあなたが、この問いに「イエス」と答えたくなる何かを、これまでのご経験の中に見出される方であれば、ぜひご連絡ください!
必ずお役に立てることがあると思います。
もちろん、これから先、旅の成長効果を示す証拠集めも必要だと感じています。
しかし同時に、私の一番の仕事は「証明すること」ではなく、「共感してくださる人のご支援をすること」だとも、思っています。
それどころか、40代も半ばを過ぎてしまいましたが、まだまだ未熟で、勉強中です。
克服すべき欠点もたくさん持っています。
しかし、私は教師ではありません。
他人様に授けられる正解を持った者ではありません。
体験から学ぶとき、教えてくれるのはあくまで体験そのものです。
体験が人間力を培ってくれるのであって、私はただ、その学びや成長が起こりやい環境に身を置くための支援をする、そういう役回りの者に過ぎません。
いいえ。特に明確な区別はしていません。
言葉のリズムや、なんとなくの感じで使い分けているだけです。
強いて言うなら、「旅行」よりも「旅」の方が、幅広い意味合いを持ったニュアンスで使っているかもしれません。
比喩的に「人生の旅」などと言いますが、「人生の旅行」という言い回しはあまりしないようです。そんな感じです。
■会員制コミュニティ「チームひとりたび」について
もう少し具体的には、「ネガティブな言動が目立つ方」とも言えるでしょうか。
これは特に、他人に対する言動にわかりやすく表れます。
「他人を責めることが多い方」は、まずお断りします。
入会してもらっても、お役に立てることがないからです。
ただし、上のような性質をお持ちの方でも、そのことを自覚し、「そんな自分を変えたい」と本気で考えていらっしゃる方は、むしろ歓迎します。
コミュニティの会員が目指すのは、もし周りの人や環境に気に食わないところがあっても、不平を言ったり攻撃したりするのではなく、そこから成長の糧を引き出し、人間力を伸ばすという、自分にとっての利益に変えられる人になることです。