伊勢市に行ってきました。
観光客でごった返す伊勢神宮のお膝元の街です。
伊勢神宮には内宮と外宮の二つのお社があります。
どちらかというとメインっぽい内宮は、本当に観光客であふれかえっています。
そんな大賑わいを尻目に、伊勢市駅前から延びるひっそりとした商店街で、静かに営業しているゲストハウスがあります。
地味といえば地味な宿ですが(笑)、私の好みとしては大当たりでした。
「安く泊まれる」だけじゃない、ゲストハウスで得られる大きな宝物
2000〜2005年くらいの間、私はいわゆる「バックパッカー」的な貧乏旅行をしまくっていました。
行き先はだいたい東南アジアかインドです。
そこで宿泊に使うのが、主に「ゲストハウス」という安宿です。
タイやインドでは、一泊300〜500円くらいのところに泊まり歩いていました。
そんな「ゲストハウス」が、ここ何年かで日本にもようやく入ってきた感がありますね。
あちこちにずいぶん増えてきました。
物価の高い日本ですから一泊数百円というわけにはいきません。
でもビジネスホテルより安いです。
今回、私が伊勢で泊まった「ユメビトハウス」は、一人一泊2,300円でした。
タイもインドも、もう何年も行ってませんが、久しぶりに「ゲストハウス!」という雰囲気の中に身を置くことができて、なんとなく懐かしいような気持ちになりました。
それくらい、このユメビトハウスは「いかにもゲストハウス」な宿なのです。
「ゲストハウスとは?」に固まった定義もないんでしょうが、だいたいはこんなところでしょうか:
- 宿泊費が安い
- ドミトリー(相部屋)がメイン(日本のは特に)
- 宿泊客同士の交流が起こりやすい
まあ全部が全部、これに当てはまるわけではありません。
日本のゲストハウスはだいたいドミトリーですが、海外では個室のみのゲストハウスもたくさんあります。
「交流」が活発かどうかは、宿によって雰囲気が全くちがいます。
スタッフさんの運営方針というか、考え方がカギになります。
ビジネスホテルみたいに、とにかく事務的に「泊まる」サービスだけを提供してくれるゲストハウスもあります。
ゲストとスタッフの関わりが薄いと、館内にどうしても「交流」的な空気が出にくいものです。
その点、伊勢のユメビトハウスは、旅行者同士の交流を「起こそう」とされています。
スタッフさんを見ていると、そう感じます。
ここに泊まれば、よほど客のいないタイミングにも当たらない限り、必ず他の宿泊客とやり取りをすることになるでしょう。
もし仮にお客さんがいなくても、スタッフさんと語り合うことにはなるでしょう。
私が泊まった晩は、午前2時までみんなで話し込んでいました(笑)
たまたま泊まり合わせた、スペインはセビリアから来たアントーニオさん。
男一人旅です。
浜松から来たナツミちゃんは、これが生まれて初めての一人旅だということでした。
いろいろな人たちが、本当にたまたまの、ちょっとした縁で出会う。
そうして出会ったばっかりの者同士が、夜中まででも話し込む。
ゲストハウスの中には、こんな奇妙なことが自然に起こるところがあります。
ここユメビトハウスは、それが当然に起こるような宿です。
寝るのはドミトリーなので、二段ベッドのお部屋です。
が、それとは別に、居心地のいい談話室もあります。
伊勢神宮の参拝も大いに結構です。
が、毎晩こんな奇妙な会合が起こっている「ザ・ゲストハウス」の雰囲気を味わうだけでも、滞在してみる価値のある宿だと思います。
普段の暮らしの中では出会うはずもないような人と出会う。
そんな「非日常」を旅行の一つの楽しみだと考える人には、強くオススメできる宿です。
どこにでもありそうで、意外とないんですよねえ。
こういう王道ゲストハウス。
「相部屋」というと抵抗を感じる方があるかもしれません。
が、いざやってみると、けっこう平気なものです。
ユメビトハウスのベッドは、個々にカーテンが付いているので、気分的にも楽ですよ。
【今回オススメのホテル】
ユメビトハウス(Booking.com)
- 伊勢市(近鉄/JR伊勢市駅から徒歩10分)
- 「出会い」を楽しむことのできる宿
- 商店街の活性化プロジェクトの一環として運営されています(そちら向きに関心のある方は、活動についてのお話もいろいろ聞けます)